プリンタあれこれ


最近の動向


デジタルカメラの登場により、A6昇華型プリンタが多数出てきました。
また、インクジェットプリンタも最近は画質が向上し、昇華型にひけをとらないものも出てきはじめました。
こうした従来のシステムに加え、最近ではプリント用紙自体を発色させるというタイプも登場し、1枚あたりの印刷コストを低減させられるものもあり、どんどん選択肢が広がってきました。


各システムの概要
昇華方式

インクジェット方式

TA方式

マイクロドライ方式


昇華方式


正式には「昇華型熱転写方式」といふ。
フィルムに付いたインクをヘッドの熱で溶かし、それを印刷用紙に転写するというタイプのプリンタ。
一般的には表面のつるつるした専用紙を使うことがほとんどであるが、官製はがきのような普通紙に印刷するカートリッジも出ている。
当然のこととして、専用紙に印刷する方が印刷クオリティが高い。

通常1600万色(1色あたり256階調)の表現が可能であり、印刷素材が良ければ銀塩写真並みのクオリティが得られる。表面は写真のように光沢がある。
欠点として、印刷速度が遅いこと、印刷コストがそこそこ高いこと、解像度があまり高くないことが挙げられる。

デジカメに使われる昇華型のプリンタはA6サイズ(ハガキサイズ)のものがほとんどだと思われるが、これには に大別出来、それぞれの規格のサプライ用品にはメーカー互換性があるようだ。

また、この手のプリンタは の2種類がある。
前者はパソコン等が必要ないので印刷が楽であるが、撮影状態そのままが反映されてしまうのでそれなりの映像でないときれいに出ない可能性がある。対して後者はパソコンが必要であるため面倒だが、暗い画像を明るくしたり、変な色になってしまった画像を自然な色に戻す等のレタッチを施すことも出来るので、最終的な仕上がりは良い場合が多い。
印刷する目的、用途に応じた選択が必要である。

また最近では、上記の両者を兼備する機種も出てきた。加えて、PCカード等にも対応するものがあり、デジカメの画像をパソコンを経由せずに印刷できる機会が増えたと言える。

ちょっと気にかけておくべき事としては、印刷可能領域が狭いことが多く、結構周りに余白が出てしまうことが挙げられる。
これは写真の L版等のサイズを気にしたせいなのか、機構上の問題なのかがはっきりしないが、ハガキの裏面印刷をする場合などには結構間抜けになってしまうことがあるので良く確認して画像作りをしないといけない。


インクジェット方式


印刷用紙に対して、プリンタヘッドからインクを吹き付けるタイプのプリンタ。
昇華型に比べて本体価格が安く、またA4まで対応出来るものが普通で、かつ低コストである。
基本的に印刷用紙を選ばないが、出来るだけ印刷クオリティを上げたいなら専用用紙を使うべきである。でないと紙質によってはインクがにじんでしまい、見られたものではなくなる。

使うインクの種類によっては水に弱い場合があるので、はがき等で送る場合は注意が必要だ。対策として、防水スプレー(撥水スプレー)を表面に吹き付ける等の方法である程度回避できる。
また、インクが乾くのに時間がかかる場合もあり、印刷後の乾燥や印刷用紙上でのにじみにも気を付けなければならない。

写真印刷に適しているかどうかは別として、現在ではA2サイズまで印刷可能なものが出ている。

 エプソン、キヤノン、HP等



TA方式


正式にはサーモオートクローム方式(光定着型直接感熱記録方式)と呼ぶ方式。
専用のTAペーパーにサーマルヘッドによる加熱と紫外線による定着を繰り返してフルカラー画像を記録するタイプのプリンタ。
TAペーパーと呼ばれる専用用紙には Y(イエロー)M(マゼンタ)C(シアン)の3原色に発色する3つの熱発色層が積層されており、これらが発色して色を表現する。
紙自体が発色するので、インクカセットやインクリボン等は一切必要ない。
専用用紙しか対応していないので、官製ハガキ等には印刷できないと言うデメリットがある。

 富士フィルム、Panasonic



マイクロドライ方式

基本は昇華方式と同等。違いは、水分を含んでいない顔料系のインクを気化したものを紙に転写する方法であるということ。
水に強く、かつ耐候性がある、解像度が高い等のメリットがある。
欠点は、印刷速度が遅いことと1枚あたりの印刷コストが非常に高いことが挙げられる。

 アルプス電気


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Initial Edition 96/11/13 02:20