Nikon CoolPix 900
経 過
1998/04/30
ゴールデンウィーク直前に Nikon CoolPix 900 をゲット(^-^)
初めてのメガピクセルモデルである。(こんなHPやってる割には遅い!?)
事前に撮影画像をいろいろと比べていたが、100〜150万画素の中では最高の部類に入る画質の良さでは無いかと思っていたので期待は大であった。
同時に注文したACアダプターは出荷遅れとのことで手には入らなかった。
初期5000セットに入ったので4MBのCFがさらにもう1枚付いていた。
このデジカメも補色系CCDであり、私はまだ原色系CCDのデジカメを手にしたことがない…(汗)
1998/05/08
ACアダプタをゲット
これで長時間再生の際にもバッテリーを気にしなくて済むので精神衛生上良くなった(^_^;)
1998/05/15
ワイドコンバータをゲット
これで風景撮影にも安心(笑)
このレポートは ここ(Nikon WC-E24 for CoolPix 900) を参照して下さい。
1998/07/10
Raynoxの望遠(テレ)、マクロ、フィルター&プロテクターをそれぞれ入手。
このレポートは ここ(レンズテスト(Raynox) for Nikon CoolPix 900) を参照して下さい。
インプレッション
- 割とデカイ
Canon PowerShot 600と比べると、幅はほぼ同じ、高さはCoolPix 900のほうが1.5cmほど低く、厚みはCoolPix 900のほうが0.7cmほど小さい。だが、全体的にはすっきりしているのでPowerShot600ほどは大きく感じられない。
最近は一眼レフタイプを除くと全体的に小型機種がどんどん出てきているので、大きさ的には確実に大きい部類に入ると思う。もっとも海外では体格の違いか、評判は良い大きさらしい。(アメリカンorヨーロピアンサイズ!?)
この大きさのおかげで少々ハンドリングは悪そうである。カメラ部と本体部に分けて考えると、本体側はある程度の大きさに収まっているのだが、いかんせんカメラ部が大きいのだ。写りを重視した Nikkorレンズを採用したためにあまり小さくは出来なかったと言うのが本音なんだろうか?
大きいデジカメが嫌いな向きにはお勧めできない機種である。が、さほど大きさを感じさせないモデルであるとも言えるので、是非とも実物を手にして見て欲しい。
だが、さすがに今までの Panasonic CardShot みたいな調子では持ち歩けそうにない。
- 写りはもうサイコー!!
購入前に撮影サンプル画像をいろいろと比べてみたが、このデジカメが一番きれいであった。とにかくシャープさが違うのだ。FinePix700は150万画素ではあるが若干寝ぼけた画像であるのに対し、130万画素のCoolPix900のほうが断然良い画像を得られたというのが購入に踏み切った最大の理由である。
CCDは補色系であるのだが自然な色合いに収まっている。ともすると、原色系CCD採用機種は色合いを強く出しすぎて、忠実な再現ではなく完全に独自の色を作り出しており、パッと見にはいいのだが「どうもちがうなぁ〜」という感覚で見ることもあったが、この機種についてはそういうこともない。
- 液晶モニタ
このデジカメの液晶は最近流行の低温ポリシリコン型TFT液晶で、なかなかきれいに表示される。
だが、やはり直射日光下ではさすがに見えづらいが、DIMとかSTNの類に比べると明るいのでまだマシである。大きさも2インチであるため見やすい。
ただ、私の所有するモデルはどうも初期不良なのか、一定以上の明るさでは液晶モニタが緑色に染まってしまう。これは撮影時のプレビュー画像の問題で、撮影直後の確認画像や実際の撮影データは全く問題ない。
これは液晶モニタの問題と言うよりはCCD側の問題ではあるのだが…。
- 光学ファインダーに視度調節
光学ファインダーに視度調節が付いているものは始めてみたような気がする。この辺にもこだわりがあるのだろうか。 - CFの対応
純正のオプションとしては、4, 10, 24MBのものがラインナップされているが、実際にはそれ以外にも使えるものは多いはずである。
右の画像は EPSON FlashPacker Miniを挿しているところ。問題なく使えている。
使用感
- 実際の撮影画像も良い
メーカーHPのサンプル画像は相当きれいだが、実際に自分で撮影した画像もきれいである。やはり素性のよいデジカメであると言えるだろうと思う。
回転レンズ部の大きさも伊達ではない(笑)
- 撮影は結構テンポがよい
画像記録時間がそこそこ短いおかげで結構テンポよく撮影できる。
その時に選択した撮影モードで変わるのだが、Fine, Normal, Basic の順に 2s, 3s, 4s なので、下手な35万画素デジカメよりも速い。
もっとも、フラッシュ(Nikonではスピードライト)の充電時間が噛むとちょっともたつくのは仕方ない。
- マニュアルモードの操作性
このデジカメのボタン類は非常にシンプルな構成で、本体上面のLCDに近い部分に3つ、液晶モニタ部に2と非常に少ない。これにシャッターボタンとその周りを回転させる電源スイッチ部である。
主な操作、特にオートモードでの撮影に関してはボタン類でまかなえる。キーの組み合わせ押しなどもないので判りやすい。しかしマニュアルモード(測光方式を変えるとか画像サイズを変えるとか露出補正をするとか)に関しては、ほとんどすべて液晶モニタ上でのメニュー形式での選択となる。これは結構めんどくさい。スピーディーな変更が出来ないからだ。とはいうものの、他に解決法があるかと言えば無いのも事実なので仕方ない部分でもある。最近のデジカメの流行りでもあるかも知れない。
ただ、マニュアルモード時の設定は保存されるので現実的な使い方で行けば、オートモードで通常の撮影、ちょっと効果を狙った撮影時には予め自分で設定したマニュアルモードという使い分けが出来ることにもなるので、ある意味で設定のユーザープリセットモードと考えるのが無難だろう。1コマごとに設定を変える人も珍しいと考えておこう。
単純に言えば、オートモードの際には何ら気にすることはなく、いろいろな効果を狙った撮影以外の用途には断然使いやすいので良しとしなければならないと思う。
- 撮影スタイル
このデジカメはちょっと異色な今までにない撮影形態である。
そもそも通常の撮影時には本体とカメラ部が90度クロスした状態が標準であるので、右手はコンパクトカメラ風に、左手はポケットカメラ風(リコーのDCシリーズ風??)に構えないといけない。なんか変な感じである。手が困っているのがよく判った(笑)
まぁ、慣れの問題ではあると思うが…。
どちらかというと横長なので片手で構えていると少々辛いかもしれない。その人の体力?次第である(笑)
- 薄暗いところや暗いところに弱い
薄暗いところではシャッターを半押ししてもAFランプが点滅してフォーカスロックできていないことがよく判る。どうも光量不足のせいかAFを合わせられないようなのだ。ISO64程度の感度なので確かに弱くても仕方ないのだが、どうにかならないものか。薄暗くとも遠景の場合は遠景モードにしておけばAFが無限遠にロックされるので何ら問題はない。このような状況は薄暗い室内灯で問題になるだろう。
AFを合わせられなかった場合にも関わらずシャッターボタンを全押しした場合等には、3〜5mぐらいの所に自動的にフォーカスロックするなどの逃げ方をして貰えれば問題も少なかったものと思われるのだが…。そういう設定にしてもほとんどのケースは対応出来るのでは無いかと推測される。
もっとも、補助光を採用していたらこういう問題は無かったのかも知れないが、常時AF動作の場合はそうも行かなかったのだろう。しかし、せめてシャッター半押し時ぐらいは補助光があっても良かったと思うのだが…。
- 光学ファインダーの視野率
COOLPIX900の光学ファインダーの視野率は85%と聞いた。
ちなみに視野率とは、ファインダーから見えている画像の範囲と実際の撮影画像に写っている画像の範囲の比率のことで、100%以下では実際の撮影画像の方が広く写っている(ファインダーから見える範囲が狭い)状態、100%以上では逆にファインダーから見えている範囲の方が広い場合である。
一般的に視野率は100%以下になっている。それは、撮影しようとした被写体がプリントや撮影画像上ではみ出さない(収まりきらない状態を回避する)ようにするためである。一眼レフカメラなどは100%に近い数字となっているが、いわゆる2眼カメラはそれ以下の視野率になることが多い。
この85%が意味するところは、光学ファインダーでフレーミングした画像には思いの外広い範囲が撮影されている、ということである。おしなべて言うと、撮りたくないものまで写ってしまうと言うことだ。
液晶モニタの画像は、撮影画像そのものであることがほとんどであるため気にすることはあまりないのだが、バッテリーの節約のために光学ファインダーを使用した場合は注意が必要である。
それにしても85%はないんじゃないの?という気がするのだが…。
- オートパワーオフ
撮影モード時のオートパワーオフは30秒である。これは短すぎる。
以前CardShotのレポート時には1分で短いと書いたことがあるのだが、今回はさらに短くなっているオートパワーオフの時間に憤慨した。
構図を決めたりしているとき、30秒などはすぐに過ぎ去る。アマチュアであるが故余計に時間がかかるのだ。やっと構図が決まり、撮影しようとするとカメラのパワーがオフになっている…。いくらバッテリーの節約とは言え、短すぎるのではないか。確かに電源スイッチOFFから立ち上げたときと比較して立ち上がり自体は早いのだが、こう頻繁にオートパワーオフされたのではたまったものでない。シャッターチャンスというものを意識していないのかと勘ぐりたくなってしまう。移動時には良いのだが。
加えて、オートパワーオフ時も通常の電源OFF時もレンズは最望遠状態となるので、ワイド撮影時はいちいちズームボタンをワイドまでもってこないといけない。ワイドをデフォルトとしても良かったのでは無いかとも思えるのだが…。いずれにしても、レンズの移動時は撮影できないので撮影テンポは阻害される。
再生モード時にはオートパワーオフまでの時間を最長30分まで設定できるのだが、撮影時は30秒固定である。これは是非とも改善を望みたい部分である。
(1998/05/24)
回避策としては、オートパワーオフの条件である「30秒間何も操作を行わなかった場合」をクリアすればいい。例えば、ちょくちょくシャッターボタンを半押ししてみたり、ズームを操作してみたり…。いずれにしても根本的解決にはなっていないが…。
(1998/08/12)
橘屋鶴蔵氏謹製の『came』というツールを使えば CoolPix900 のオートパワーオフの時間を最大180秒まで変更できる。
これは CoolPix 900 に限った話ではなく、デジカメのコントロールに富士通製のSparcLiteチップを搭載したものであれば大抵のものはコントロールできるのである。
私の CoolPix 900 もすでに 120秒に設定変更してある。
また、GUIではなくコマンドラインからの操作になるが、DOSからもコントロールできる『camedos』というものもある。これは、HP200LX用に作ったものだそうだが、私の実験では MobileGear for DoCoMoでDOSに降りた状態からも操作可能であった。
デジカメのシャッター操作も出来るため、マクロ等の手ブレが非常に気になる撮影下では非常効果があると推測される。
- ボタン配置
ボタンの配置はそこそこ適正であろうと思う。
難を言えば、やはりフラッシュモードの切り替えはもっとグリップ側に近い方が良かったと思われる。無理すれば現状でも指は届くのだが。
ただ、電源スイッチ部に関しては、一旦OFFすることなくPLAYとRECを行き来出来るのが理想では無いかと思うのだが。OFFは一番端っこにあって欲しい、と思うのは私だけだけだろうか?
- 上部LCD表示パネル
ここにしか表示されないものがある。フラッシュのモードだ。
しかし、ここにはバックライトがない。フラッシュが必要とされる薄暗い場面や夜間では、確認が出来ない。「スローシンクロで撮影しよう」とか思い立っても、フラッシュモードがどの状態にあるかが判らないことが多々ある。その確認のためにミニマグライトが出動する。本末転倒だ。
たかがLCD表示パネルと馬鹿にせず、しっかりとバックライトorLCD照明でも付けて欲しかったものだ。
もっとも、一番ベストなのは液晶モニタに表示させることなのだが…。折角液晶モニタがあっても、フラッシュモード確認のためにいちいちLCD表示パネルを見るのもなんだか間抜けである。
基本的には光学ファインダーでの撮影時用の表示パネルであるから、そういう点では今までのデジカメより親切なのは十分判る。
- 回転部
購入前に気になっていた回転部の強度であるが、実際手にしてみるとそこそこしっかりと出来ているのでさほど気にしなくても良さそうである。
しかし、長年使い続けた場合にどうなるかはまだ未知数ではある。
- AFロックの確認
AFロックの確認は液晶モニタでは出来ず、ファインダー横のLEDで確認するのだが、これは通常の撮影スタイルでは全く問題ないものの、ローアングルや対面撮影時においては確認できない。これらは液晶モニタ上で確認するしかないようなのだが、一見フォーカスが合っているようでもあっていない場合もあるので注意が必要だ。
液晶モニタの横にもAF確認用のLEDがあればさらに親切だったと思うのだが…。
- 見やすい液晶モニタ
液晶モニタは低温ポリシリコン型TFT液晶なので非常見やすいし、またモニタ画像も「カッカッカッ」と動くものではなく、ビデオカメラのような30フレーム/秒のものなので、撮影していてストレスはない。やっぱりこうでないとね。
ただ、一点気になるところは、屋外である一定以上明るい状況下では液晶モニタ全面が緑色になってしまうと言う症状に悩まされた。液晶モニタで確認が出来ないぐらいになってしまうのだ。とはいうものの、その状態で撮影すると撮影直後の確認画像は正常だし、画像データ的にも全く問題ない。全く訳の判らない状態だ。
ニコンに確認すると初期不良であろうと診断されたので新品と交換して貰えることになったが…。
(その後)(1998/05/24)
交換はしてもらったが結局基本的には何ら変わっていない。(シリアルナンバー的には古くなった)
以前よりは少々は見やすくなったのだが相変わらず撮影しづらいことには変わりない。
どうもこの液晶モニタ、スミアが出やすい。液晶モニタのフレーム更新は1/30秒なのだが、これが逆に災いしているのだとサービスの人に聞いた。このスミアがモニタ全面に広がっているような気配である。このスミアは実際の撮影画像としては入らないのでそう言う意味での実害は無いのだが、これは全くいただけない。
ワイドコンバータ等のオプションレンズを装着した場合は液晶モニタに頼らざるを得ないので、是非とも改善を願いたいものである。
- パワースイッチと反応速度(1998/05/24)
変な見出しだが、パワースイッチを入れてから実際に撮影可能になるまでの時間が長い。軽く10秒はあるだろうか。これは腹が立つ。一瞬フリーズしてるのかもと思ってしまう。
また、撮影画像を見ようと撮影モードから一気に再生モードに切り替えてもしばらくの間は撮影モードのままである。スイッチが接触不良を起こしたのかと思ってしまう。その逆もある。
折角良いカメラなのだから、この辺も是非とも改善願いたい。
一回撮影が始まってしまうとなかなかテンポは良くなるのだが、間にオートパワーオフとかが入ったり、撮影画像を再生モードで確認しようとしたら一気にテンポはガタ崩れである。
- 暗闇には無茶苦茶弱い(1998/08/12)
花火の撮影等ではある程度真っ暗闇の空でフレーミングしないといけないことが多いのだが、これが厄介な環境なのである。
どうも遠景モードにしていてもまともに遠景モードになってくれないような気配なのである。というのも、撮影された画像が遠景モードにも関わらずボケボケになってしまったのだ。
ある時は遠景モードであるにも関わらずフォーカスランプが点滅したりしたこともあった。
この遠景モードは30m付近にフォーカスの山を持ってきているとのことなのだが、本来の意味での無限遠ではないのである意味で使いにくいモードでもある。
だから、花火等をきれいに撮りたかったら、ここぞと思う花火の前に一旦フォーカスロックさせ、その状態を維持しつつターゲットになる花火の時にシャッターボタンを押し込むという手間のかかることをしないといけないのだ。
本物の無限遠ロックがどうしても欲しくなるシチュエーションではある。
恐らく、明るいシチュエーションでは30m付近にフォーカスの山を持ってきても明るさの関係から絞りがいくらかは絞られているはずであるため、被写界深度の関係から無限遠あたりでもそこそこ見られた画像になっていると思われる。しかし逆に真っ暗闇では絞りは解放状態にあるはずなので被写界深度はもっとも浅い状態になっているため、フォーカスの山が30mぐらいだと到底カバーし切れていないと考えることが出来る。本当かどうかはよく判らないが、十分考えられることではないかと思われる。
雑感
耳寄り情報
AC電源については、手持ちの Panasonic CardShot NV-DCF1用のAC電源はかろうじて使えた。だが、DCプラグ部の径が若干違うために角度によっては電源OFFとなってしまうこともあった。 ただ、基本的には電流容量が不足しているので壊れても知りません(^_^;) 良い子は純正を使いましょう。 悪い子は6V-0.8Aを十分満足する電源を自分で用意しましょう。ちなみに純正は6.5V-2.5Aがスペックです。 AC電源からニッカド電池等は充電できないみたいなので注意。 そういう点から言うと、シリアルでデータ転送する人、ビデオ出力で長時間TVに映し出す人以外は必要ないのかも知れない。 ただし、ニッカド電池、ニッスイ電池(ニッケル水素電池)とその充電器は必須だと思っておいた方が良い。 |
左−ビデオ出力 右−外部電源入力 |
4.8V/6V - 0.9A/0.8Aの 記述が見える |
サンプル画像
(工事中)
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Initial Edition | 98/05/08 03:30 |